小林よしのり

小林よしのりがゴーマニズム宣言でしていることは「問題提起」である。

「エイズはセックスのみで感染するモノではなかった」「オウムはただの宗教団体じゃなかった」

誰も知らなかったこと、知っていても教えてくれなかったことを教えてくれる。そしてそこからいつも真実が見えて来た。

この戦争論も「問題提起」である。入り口である。

ここから考える人が増えて、真実が明らかになることが作者の望みであり、僕らの望みでもある。

小学館　「ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論」

小林よしのりのエッセイ漫画、思想漫画とでも言おうか、何とも言い表せない新しい形の漫画。何にしろこれは漫画であると思う。
　
真剣に意見を述べながら、途中でギャグを入れる。そのギャグも、話をそらすようなものではなく、ギャグ作家の性格上入れざるを得なかったというもの。小林よしのりの事を嫌いな人のほとんどが、このギャグが理解できていない頭の固い人の様な気がする。めちゃめちゃおもろいのに。

何度も言うが、これは漫画である。現実世界はどんな作り事よりも漫画的な事が起こりうる。これを見ていると小林よしのりという人間は、そこら辺の漫画なんかよりずっと「漫画な人」だと思う。

作者いわく日本一抗議の多い漫画。

扶桑社　「ゴーマニズム宣言」（全９巻）　
小学館　「新ゴーマニズム宣言」（１〜）